アイルランド政府(首都:ダブリン)はこのほど、北大西洋上に位置するポーキュパイン海盆の石油・天然ガス鉱区で実施した第1期の落札結果を発表した。それによると、対象となる14鉱区で、イタリア炭化水素公社(ENI)や米エクソンモービルなどが落札した。
新ライセンス(2年間の探査権)は、ENI、エクソンのほか、ノルウェーのスタットオイル、英BP、カナダのネクセン、スコシアバンク・グループ、ヨーロッパオイル&ガス(エウロパ)、豪ウッドサイド・ペトロリアムに付与された。14鉱区のうち、エクソンとスタットオイルが6鉱区、ネクセンが4鉱区、その他がそれぞれ1鉱区を落札したという。応札件数は全43件だった。
今回の落札結果について、同政府の幹部は「応札件数は過去最高を記録した。原油価格が低水準にあるなか、入札に対する各社の積極的な姿勢がうかがえた」とコメントした。なお、アイルランド政府は、第2期の落札結果を今年5月半ばに公表する予定だ。
ところで、アイルランド沖の石油・天然ガス開発では、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが昨年末、コリブ鉱区で天然ガスの生産を開始したと発表済みだ。このガス田は、フィルランドの北西83キロメートルに位置し、深さは約350メートル。1996年に発見され、ガス生産量のこれまでのピークは日量4万5,000バレル(原油換算)という。
2015年12月30日付のサイト『ペンエナジー』によると、コリブ・プロジェクトは、シェルE&Pアイルランドとスタットオイル開発アイルランド、ヴァーミリオン・エナジー・アイルランドの合弁事業である。シェルE&Pがオペレーターを務め、開発事業に6,000人を超える作業員が関わっているという。