米国におけるバイオ燃料事情を取り上げる。米国では、2015年のバイオマス原料のディーゼル輸入量が前年比で6割超の増加となったほか、バイオ技術会社による実証プラントの建設計画や、米エネルギー省(DOE)関連の助成などが目白押しとなっているようだ。(写真はDOEのロゴマーク)
4月11日付の米エネルギー情報局(EIA)レポートによると、2015年の米国のバイオマス原料のディーゼル輸入量は前年比61%増の5億3,800万ガロンだった。2013年がピークで、14年には減少した。この理由について、EIAは再生可能基準(RFS)に基づく割当量や税制優遇措置の中身が不透明であったとした。15年に大幅な増加に転じたのは、高い割当量が設定されたためだ。
アルテックス・テクノロジーズは、ユニテル・テクノロジーズに対し、バイオマスからガソリンを製造する実証プラントの設計・建設業務を発注した。4月4日付のサイト『ビジネス・ワイヤー』などが報じた。アルテックスは、水素供給を必要としないプロセスを開発済みで、軽質オレフィンを低重合反応させることで炭化水素留分をつくり出しているという。米カリフォルニア州エネルギー委員会は、アルテックスに対し、最大100万ドルを助成する予定だ。
米エネルギー省(DOE)傘下のジョイント・バイオエナジー・インスティチュート(JBEI)の研究チームが、バイオマスをイオン液体で処理することで、バイオ航空燃料などを合成するプロセスを科学誌に発表した。4月13日付のサイト『グリーン・コングレス』などが報じた。
同サイトはまた、DOEのエネルギー効率及び再生可能エネルギー局(EERE)が、バイオ燃料に関する製造実証プロジェクトの立案に対する助成内容を公表した。試験・実証プラントを用いたドロップイン・バイオ燃料や発電プロジェクトが対象という。藻類・バイオガスからの製造、バイオ廃棄物を使用した発電や、バイオケミカル・バイオ燃料のいずれかから採用されるとしている。