1月下旬、イランのロウハニ大統領はイタリア、フランスを訪問し、エネルギー分野を含めた大型商談をまとめた。経済制裁の解除を受けて、イランはアルメニア(首都:エレバン)やジョージア(旧称グルジア、首都はトビリシ)のほか、エクアドル、韓国ともエネルギー関係強化に乗り出している。

イラン国営天然ガス(NIGEC)はこのほど、アルメニアへの天然ガスの輸出量を日量600万立方メートルとし、現行の5倍増になるとの見通しを示した。2月7日付のサイト『プレスTV』が報じた。NIGECは天然ガスを供給する一方で、アルメニアからバーター(交換)で電力1,000メガワット(MW)の輸入を検討しているという。両国は2015年8月、3本目となる送電線の建設計画で合意、建設期間は1年6カ月を見込む。

『プレスTV』はまた、NIGECがジョージアとも天然ガスの供給に関する協議を行っていると報じた。隣国のアルメニア経由でパイプライン輸送するという。輸出量は、日量ベースで3~5億立方フィートになる見通しだ。

イランは、南米エクアドルともエネルギー分野での関係強化に取り組むようだ。エクアドルは、イラン産原油の輸入と製油所における精製能力の増強に期待を寄せているという。2月1日付のサイト『シャーナ』が伝えたが、プロジェクトの具体的な内容については言及していない。

このほか、『シャーナ』は、イランの国営エネルギー関連企業の幹部のコメントを引用し、同国がイスファハン製油所(精製能力は日量36万バレル)の近代化工事を、韓国企業と共同で推進することで協議していると報じた。計画では18億ユーロを投入し、常圧蒸留残油を原料とする残油流動接触分解装置(RFCC)などを新設するとしている。ただ、韓国企業の社名は明らかにしていない。