「原油安ショック」シリーズの第36弾―採算性が見合わないとの理由で、油田の閉鎖を決めた企業や、液化天然ガス(LNG)の基地建設の中止に追い込まれる企業が出ている。

1月15日付のサイト『XYZ』などによると、ロシア石油大手のルクオイルが1月半ば、コートジボワールの深海探査からの撤退を決めた。ルクオイルは2006年以来、同国ギニア湾の深海鉱区5カ所で探査活動を続けてきたという。その後、2011年12月に原油とコンデンセートの埋蔵を発見したものの、結果的に商業ベースに乗らないと判断した。

米エクソンモービルは、ノルウェーのローガラン県スタヴァンゲル沖合およそ200キロメートルに位置するヨツン油田で、今年4月から生産井の閉鎖を順次実施する。17年末までに完了する予定という。この油田の2014年の生産量は、日量2,100バレルだった。2月9日付のサイト『OEデジタル』などが報じた。

スペインのレプソルはこのほど、1998年12月に生産活動を開始したノルウェー沖のヴァルグ油田について、生産井の閉鎖を当局に認可申請した。2016年8月1日までに8生産井の閉止を終える予定という。昨年11月の月間生産量は日量4,800バレルだった。2月11日付のサイト『LNGワールド・ニュース』などが報じた。

このほか、マレーシア国営ペトロナス・ガスと同国サバ州政府のサバエナジーは、同州ラハダトゥで予定するLNG輸入基地の建設計画を中止すると発表した。当初の計画では、投資総額が約2億4,300億ドルで、2015年に完成する予定だったが、原油価格の低迷で経済性が見込めないと判断したもようだ。