ロシアとドイツとを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の運営を手がけるコンソーシアム「ノルド・ストリーム2 AG」は8月14日、ロシア政府から建設許可を得たと発表した。これまでロシア領海内の114キロメートルの区間については認可済みで、今回の承認によって全長(1,222キロメートル)で建設許可を取得したことになった。

ノルド・ストリーム2は、ロシアで産出した天然ガスをバルト海経由でドイツに輸送する送ガス管で、ウクライナ・ポーランド・ベラルーシを迂回するルートとなっている。輸送能力は年間550億立方メートル。2018年末までに稼働する予定だ。

ノルド・ストリーム2計画について、ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相は8月18日、プロジェクトの継続を確認した。両首脳の会談は、この天然ガスパイプライン計画に反対の意を唱えるトランプ米大統領を牽制する狙いもあるとされる。

ところで、ロシアのノバテクは8 月初旬、ヤマルLNGプロジェクトの第2系列(生産能力:年間550万トン)で、液化天然ガス(LNG)の生産・輸出を開始したと発表した。当初予定していたよりも6カ月早まったという。ノバテクは、第3系列の生産・輸出開始も大幅に前倒しするとの見通しを示している。

このほか、企業業績で、ロシア国営天然ガス会社のガスプロムが8月初旬、2018年第2四半期決算を発表した。それによると、同期の純利益は968億ルーブル(約15億ドル)で前年同期から倍増した。原油価格の上昇と増産が寄与したという。また、売上高も前年同期で増加し、6,171億ルーブルとなった。

ロシア国営石油会社のロスネフチも8月初旬、2018年第2四半期決算を発表。それによると、同期の純利益は2,280億ルーブル(約36億ドル)で、前年同期比で3倍増となった。ガスプロムと同様、原油価格の上昇が業績向上に寄与したとしている。