8月22日付の『ロイター通信』は、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコが計画する新規株式公開(IPO)が中止となる見通しと報じた。上場中止となる理由について、証券取引所が求める情報開示にサウジアラムコが消極的な姿勢を示していることや、原油価格が2014年のピーク時から大幅に下落したことで、企業価値が著しく低下しているとの観測が広がっているためとしている。ムハンマド皇太子はこれまで、サウジアラムコのIPOについて、2兆ドル(約220兆円)の企業価値があると強調していた。

また、サウジアラムコはロンドンやニューヨークなど海外上場だけでなく、サウジ国内での株式放出も断念した模様であると報じられた。これに対し、ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は8月23日、報道内容を否定した。ファリハ氏は、サウジアラムコの会長も兼務している。サウジアラビア政府は、経済改革を推進するため、サウジアラムコのIPOを通じて、投資資金の調達を目指していたが、上場中止で改革スケジュールが大幅に軌道修正されるとの見方が広がっているようだ。

ところで、米ジェイコブズZATEは8月15日、サウジアラムコ・トタル精製・石油化学(SATORP)から設備にかかわる業務を受注したと発表した。アラビア湾沿岸のジュベイル・インダストリアル・シティ2でSATORPが運営する製油所のエンジニアリング業務から基本設計(FEED)役務を請け負うとしている。ジェイコブズZATEは、ジェイコブズ・エンジニアリング・グループのサウジアラビア子会社。他方、SATORPは、サウジアラムコと仏トタルの合弁会社(JV)で、精製事業を手がけている。

このほか、サイト『エコノミック・タイムズ』(8月15日付)によると、インド国営石油会社(IOC)は、サウジアラムコとアブダビ国営石油会社(ADNOC)の両社が運営する、インド西岸のマハラ-シュトラ州のラトナギリ製油所(精製能力:日量120万バレル)で生産される燃料の権益分を販売できるが、輸出に関してはIOC側の承認が必要との見解を示したという。この製油所については、サウジアラムコとADNOCが50%の権益を保有。総投資額は440億ドルとされる。

また、サウジアラビアの石油化学会社であるSABICは8月15日、米ノッチンガム・スパークとスペシャリティケミカルの開発で合意したと発表。SABICの熱可塑性ブラスチックとノッチンガムの商業化技術を組み合わせるとしている。