アフリカ特集の5回目。今回は、南アフリカ共和国でのシェールガス探査に関するライセンス付与の進捗状況のほか、米石油開発会社のコバルト・インターナショナル・エナジーが鉱区売却をめぐりアンゴラ国営石油会社を提訴する動きなどが伝わっている。(国旗は南アフリカ)

南アフリカの政府高官によると、同国では現在、カルー盆地にあるシェールガス5鉱区分の探査ライセンスを選定中で、9月末までに最初のライセンスを付与する予定という。5月15日付の『ロイター通信』が伝えた。南アの政府高官は、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、ファルコン・オイル&ガス、豪チャレンジャー・エナジーの子会社(バンドゥ・ガス&オイル開発)へのライセンス供与を審査していると語ったという。探査ライセンスの期間は3年。

他方、コバルトは5月12日、アンゴラのソナンゴルを相手取り、約20億ドルの損害賠償を求める訴訟を提起したと発表した。コバルトはアンゴラ沖合で保有する2鉱区(プロック20、21)の全権益40%をソナンゴルに17億5,000万ドルで売却することに合意していたものの、アンゴラ政府は認可しなかった。そのため、コバルトは探査期間の延長をソナンゴルに求めた。ところが、ソナンゴルが合意しなかったため、損害賠償訴訟を起こすことになったという。

ところで、英タローオイルが5月17日、ケニア北部のロキチャル盆地のブロック13T鉱区のEmekuya-1井で、層の厚さが75メートルの油層を発見したと発表した。タローオイルは、ロキチャル盆地のブロック13T、ブロック10BB鉱区の権益50%、アフリカ・オイル・コープとデンマークのマースクオイルが25%ずつをそれぞれ保有する。

このほか、ウガンダのアリニ・ムロニエネルギー鉱物資源開発相は、同国で予定する製油所の新設プロジェクトに関連し、4社の候補企業を選定したことを明らかにした。5月17日付のサイト『オイル&ガスイヤー』などによると、アルベルティーヌ地域で産出される原油を処理するとし、精製能力は日量6万バレルを見込む。ウガンダ政府はこれまで、製油所建設プロジェクトでロシアのRTグローバル・リソーシズと合意していたが、2016年に交渉が白紙となった経緯がある。