インドネシアでは最近、国営プルタミナが製油所関連で海外勢との連携強化に向けて動いている。石油製品プラントの建設でスペイン企業と提携するほか、ロシアやサウジアラビアの国営石油企業と手を組み、製油所の近代化に向けたプロジェクトを推進していくようだ。今回は、いくつかの事例を取り上げた。

プルタミナは10月3日、同国南部のチラチャップ製油所に軽油アロマ系抽出物(TDAE)プラントをスペインの石油・天然ガス大手であるレプソルと共同で建設すると発表した。生産能力は年間ベースで6万トン。2019年に稼働を予定する。アジア市場向けに供給拡大を図るとしている。

プルタミナはまた、同国のトゥバン製油所にかかわるプロジェクトで、ロシア国営のロスネフチと合弁会社(JV)を設立する方向で検討に入った。本件については、サイト『アジア・エナジー・セントラル』が今年5月下旬、JV設立で合意するとの見通しを報じていた。

一方、プルタミナはサウジアラビア国営サウジアラムコともチラチャップ製油所の近代化工事でJVを設立するとしている。バロンガン製油所とデュマ製油所の近代化工事については、今後数カ月以内に結論を出すようだ。

このほか、仏石油・新エネルギー研究所(IFPEN)のグループ企業であるアクセンスは10月6日、プルタミナが計画する製油所の近代化プロジェクトに関連し、プロセス技術にライセンスを付与することに合意したと発表した。

それによると、バリクパパン製油所では、日量9万バレルの残油の接触分解(FCC)、同4万8,000バレルのガソリン脱硫ブライム-G、液化石油ガス(LPG)硫黄回収、プロピレン回収の各装置などが対象となる。アクセンスは、チラチャップ製油所で日量3万6,000バレルのディーゼル脱硫プライム-D装置の建設を予定しているという。