メキシコ国営のペメックスが国内製油所の拡張・近代化工事に巨額投資する計画であることが判明した。一方、製油所での火災事故も目立つ。火災発生の背景には、盗油行為の多発があるとされている。

ペメックスは昨年12月、国内製油所の拡張・近代化計画を推進する方針であることを表明した。総投資額は230億ドルに上るという。投資額の大半は、国内6製油所における超低硫黄の燃料をつくるプロジェクトに充てられる。ちなみに、ペメックスが2015年に発見した油・ガス田のうち、60%が浅海、35%が深海、5%が陸上だったという。

一方、海外での取り組みとして、ペメックスは昨年12月初旬、サービス・ステーション(SS)を米テキサス州ヒューストンに開設した。メキシコ国外でSSを展開するのは、これが初のケースとなるそうだ。同社は今後、ヒューストンの5カ所でSSを開設する予定。SSにコンビニエンス・ストアを併設するという。

ところで、メキシコでは近年、製油所での火災事故が目立つ。2015年12月23日付のサイト『フォックス・ニュース』によると、メキシコ南東部のタバスコ州カルデナスで12月22日、ペメックスが所有する石油製品を輸送するパイプラインが爆発した。事故当時、約30人の負傷が確認されたが、警察当局はパイプラインからの盗油行為の際に引火したとみているようだ。

15年12月10日には、ベラクルス州ミナティトランにあるペメックスのラサロ・カルデナス製油所(精製能力は日量24万6,000バレル)で火災が発生、けが人が出た。この製油所では、同年9月にも火災事故が発生していた。