今回は、米エネルギー省(DOE)エネルギー情報局(EIA)が最近公表した米国エネルギー関連のデータを取り上げる。
EIAが4月18日に発表した月次報告によると、米国の2015年のエネルギー生産量は89クワッド(10の15乗)Btu(英国熱量単位)で、6年連続で増加したという。増加分は原油が8%、天然ガス液(NGL)が9%、天然ガス5%だった。一方、石炭は10%の減産となった。また、原子力発電と再生可能エネルギーは殆ど変化なし。
2015年の米国の石油製品輸出量は、前年比で日量46万7,000バレル増の同430万バレルとなった。軽油、ガソリン、プロパンの輸出増が寄与した。主要な輸出先はメキシコと南米諸国。軽油の輸出量が最大で、前年比で日量8万5,000バレル増の同119万バレル。
EIAはまた、米国のエタン生産量が、2015年の日量110万バレルから2017年には同140万バレルになると予測。15年のエタンの消費量は日量105万バレルであったが、石油化学向けで日量5万バレル増加し、17年に同8万バレルに増加するとの見通しを示した。また、今後、タンカー輸出が本格化することで、エタンの輸出量は15年の日量6万バレルから17年には同23万バレルに増加すると予測している。ちなみに、米国は2014年、エタンの純輸入国から純輸出国に転じた。
4月13日、EIAはエネルギー短観(STEO)で、今夏(4月~9月)の米国内におけるレギュラーガソリンの小売価格を前年比59セント/ガロン安の平均2.04ドル/ガロンと予測。この数字は2004年以降で最低である。また、月間平均で6月に2.08ドル/ガロンに上昇し、9月以降に1.93ドル/ガロンに低下するとの見通しを示した。
一方、EIAは4月下旬、米国各州のガソリン価格に対する税金・賦課金が、2016年1月時点で、26.5セント/ガロンだったと発表した。最高はペンシルバニア州の51.4セント/ガロン、最低はアラスカ州の8.95セント/ガロンで、いずれも連邦税(18.4セント/ガロン)が上乗せされるとしている。