今回は、南米大陸における各国のエネルギー動向を取り上げる。4月16日に大規模な地震に見舞われたエクアドルでは、南米最大規模の石油会社であるペトロ・アマゾナスがアマゾン地域で9油田に大型投資をするほか、ペルーからは、同国で進行する国営ペトロペルーの製油所近代化工事の進ちょく状況などの情報が伝わっている。(写真はエクアドル地震の様子、YouTubeから)
◆エクアドル
エクアドル国営のペトロ・アマゾナスはこのほど、同国領に属するアマゾン地域の9油田の開発を国内外の3つの複合企業体(コンソーシアム)と契約したことを明らかにした。これら3コンソーシアムで計1,000億ドルを投資し、原油8,460万バレルを生産する計画としている。コンソーシアムには、中国国営のSINOPEC・インターナショナル、シュルンベルジュ、ハリバートンなどが含まれる。4月4日付の『FOXニュース』が報じた。
他方、4月16日に発生したマグニチュード(M)7.8の大規模な地震で、停止に追い込まれていたエクアドルのエスメラルダス製油所(精製能力は日量11万バレル)が4月18日夜、稼働を再開した。運営企業のペトロエクアドルが明らかにした。
◆ペルー
3月24日付のサイト『ラ・リパプリカ』などによると、ペルー国営のペトロペルーはこのほど、タララ製油所(精製能力は日量6万5,000バレル)の近代化工事が3割ほど完了した(3月下旬時点)と発表した。4月には新設ドック(船渠)が完成する予定で、近代化工事を進める上で必要となる機器や資材の荷揚げ作業に利用されるとした。
◆ウルグアイ
ウルグアイの石油・天然ガス開発会社のユニオン・オイル・ガス・グループ(UOGG)が、アルゼンチンと国境を接するバイサンドゥー鉱区(1,750平方キロメートル)の原油探査権を取得した。UOGGは50~100万ドルを投じる予定で、1年間の試掘作業を経て、原油埋蔵が確認された場合、国営ANCAP(本部:モンテビデオ)が探査活動を引き継ぐという。3月27日付のサイト『ヴィーダ・ラティーナ』などが報じた。
◆コロンビア
3月7日付のサイト『PRニュースワイヤー』などによると、コロンビア国営のエコペトロールがバランカベルメハ製油所の近代化計画を見直すとの情報が伝わっている。原油価格の下落が原因とし、原油価格が回復するまで延期されるとしている。