今回は、米エネルギー情報局(EIA)が公表したデータをもとに、米国のエネルギー動向を取り上げる。(ロゴマークは米エネルギー省)

EIAは3月7日、短期エネルギー予測(STEO)を発表し、米原油生産量を2017年が日量920万バレル、18年が同970万バレルへと、いずれも日量ベースで20万バレルずつ引き上げた。米テキサス州西部とニューメキシコ州の東南部にまたがるパーミヤン盆地で掘削活動が盛んになる見通しや、昨年に開始した掘削活動で原油増産が見込めることなどを論拠にしたという。

EIAはまた、米国勢調査局(USCB)のデータを引用した上で、エネルギー貿易に関連し、カナダが米国の最大の相手先と発表した。2016年における米国からカナダへのエネルギー関連の輸出額は140億ドルで、全貿易額の5%となった。カナダからの輸入額は530億ドル(全体の19%)。

2016年に米国がカナダから輸入した原油量は日量330万バレルで、全輸入量の41%(輸入額は360億ドル)を占めた。他方、16年の天然ガス輸出量は、カナダからの輸出量が同80億立方フィート、米国からの輸出量が同21億立方フィートだった。

このほか、EIAによると、米国では2016年、風力発電能力が、年間ベースで新たに8,727メガワット(MW)分が増加した。これにより、再生可能エネルギー発電で水力発電を上回り、風力発電が最大となったことが判明。ただ、風力発電と水力発電の発電能力における季節変動要因を加味すると、米国では、2017年は水力発電が風力発電を上回ると見通しという。

2016年の発電プラント新設分について、EIAは60%が風力(8.7ギガワット=GW)と太陽光(7.7GW)で、天然ガス火力は33%の9GWだったとした。過去15年で天然ガス火力発電は228GW分が増えた。

EIAはまた、米カリフォルニア州に電力を供給するカリフォルニア独立系統運営機関(カリフォルニアISO)が、2016年に電力(2,010キロワット時=kWh/日)を州外から調達したと発表した。これは、同州の電力全消費量の26%に相当するという。