米エネルギー情報局(EIA)が昨年末、ノルウェーの国別レポートを更新し、その内容を公表した。ノルウェーは引き続き、欧州最大の原油生産国であるとともに、世界第3位の天然ガス輸出国で、欧州連合(EU)にとり、原油類と天然ガスの重要な供給国になっているとした。
EIAによると、ノルウェーにおける原油の確認埋蔵量は51億4,000万バレル(2016年1月時点)で、その全量が内陸ではなく、大陸棚に存在する。2015年の原油類の生産量は前年比3%増の日量196万バレル。また、国内に2つある製油所の総精製能力は日量34万6,000バレルだ。15年の原油の輸出量は日量130万バレルで、その97%が欧州向けだ。
一方、ノルウェーにおける天然ガスの確認埋蔵量は68兆立方フィート(2016年1月時点)。2015年の生産量は4兆1,000億立方フィートで、約95%が輸出された。
このほか、ノルウェーにおけるエネルギー関連ニュースがいくつか伝えられている。スタットオイルは昨年12月、英国領北海のマリナー油田で掘削作業を開始したと発表。今夏の試運転を経て、2018年に生産開始を予定する。この油田は、シェトランド島の沖合約150キロメートルに位置し、埋蔵量は2億5,000万バレルとされる。
天然ガス・電力企業の英セントリカは昨年末、ノルウェー海で2011年に発見されたオダ油田の開発計画(PDO)をノルウェー石油・エネルギー省に提出したと発表。投資額は5億1,000万ポンドで、2019年の生産開始を目指す。埋蔵量は4,800万バレル(原油換算)で、そのほとんどが原油とされる。
他方、コスト面で採算ベースに乗らないとして、スタットオイルが米国メキシコ湾での開発事業から撤退するとの情報が伝わった。同社はこれまで、数十億ドルを投資したものの、期待したほどの結果が得られなかったとされる。この情報について、スタットオイルは「開発結果の評価をしている最中で、現時点(1月6日)で撤退を決めたわけでない」(広報部)との見解を示した。