フランスでは、電力・天然ガス大手のエンジーがウクライナで天然ガスの輸送・貯蔵役務にかかわる合弁会社(JV)の設立で合意したほか、仏石油大手のトタルが国内外に保有する自社の給油所5,000カ所にソーラー(太陽光)パネルを設置すると発表するなどの動きが伝わっている。

エンジーは10月28日、ウクライナ国内で天然ガスの輸送・貯蔵役務を展開する合弁企業(JV)を国営UkrTransGazと設立する契約をパリで締結したと発表した。今冬の需要向けから業務をスタートする。エンジーはこれまで、2015年にウクライナの国営JSCネフチガスなどに対し、天然ガス35億立方メートルを供給した実績があるという。

一方、トタルは11月15日、国内外に保有する自社の給油所5,000カ所にソーラーパネルを設置すると発表した。同社は将来的に電力コストの年間4,000億ドル削減につなげる計画という。まず、5年間で3億ドルを投資し、二酸化炭素(CO2)量を年間ベースで1万トン削減するとしている。石油・天然ガス開発事業にかかわるトタルの投資額(年間約200億ドル)に比較すると、少額で済むメリットがある。トタルは、太陽光発電を成長分野の一つと位置付けている。

また、アイルランドの液化石油ガス(LPG)会社であるDCCは11月14日、子会社の燃料販売会社(DCCエナジー)が仏Gaz Europeen(GE)を買収することに合意したと発表した。DCCはGEの発行済株式97%を1億1,000万ユーロで取得する見通しだ。GE買収をDCCは、フランスにおける天然ガス市場進出の足かがりとする方針のようだ。

このほか、トタルとオランダの化学・バイオテクノロジー企業であるコービオンは11月16日、ポリ乳酸(PLA)樹脂の製造・販売事業の合弁企業(JV)を設立すると発表した。それによると、コービオンがタイに所有する製造所にPLA樹脂製造プラント(能力は年間7万5,000トン)を建設する予定。JVの本社はオランダに置き、2017年第1四半期の完成を目指すとしている。