ロシアに関連する最近のエネルギー情報を2回に分けて取り上げる。ルクオイルやロシア国営ロスネフチなどの企業情報、ロシア政府のエネルギー政策変更について紹介する。

トランプ米政権のイラン核合意からの離脱表明を受け、ルクオイルは5月末、イランにおけるエネルギー開発プロジェクトを保留すると発表した。ルクオイルはこれまで、マンスーリ油田開発などで、イラン側と協議してきた経緯がある。

他方、ルクオイルは5月末、パーム製油所で、道路用ビチューメンの生産活動をスタートしたと発表。生産能力は日量ベースで2,400トンとしている。ルクオイルの販売子会社が、ビチューメンの出荷・販売を担当するという。

ロシア国営ロスネフチは6月4日、ガーナに対し、液化天然ガス(LNG)を12年間にわたり供給する契約で、ガーナ国営石油会社のGNPCと合意したと発表した。ロスネフチは今後、ガーナのテマ港にLNGを輸出するとみられる。輸出量は年間170万トンで、ガーナの需要量の4分の1に相当するとしている。

このほか、ロスネフチは5月末、イラクのサルマン油田(ブロック12鉱区)で、原油の埋蔵を確認したと発表済みだ。サイト『トレード・アラビア』などが報じた。サルマン油田は、バクダッドの南方約350キロメートルに位置する。

ところで、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が5月末、電話会談し、シリア問題などのほか、「ターキッシュストリーム(TS)」天然ガスパイプライン計画の進ちょく状況について確認したと、5月29日付の『タス通信』が伝えた。

このほか、ロシア政府は、6月1日からガソリン・ディーゼルにかかる物品税を、それぞれ約48ドル/トン、32ドル/トンに引き下げた。燃料価格の安定化を図るとしている。7月1日以降、さらに11ドル/トンを追加で引き下げる可能性にも言及した。

また、フィンランドの電力会社であるフォータムは6月4日、燃料油トレーディング子会社の独ユニパーの買収について、ロシア公正取引委員会(FAS)から承認されたと発表した。フォータムとユニパーは、ロシアで事業展開をしているため、FASからの承認を得ることが必要だった。