ロシア国営ガスプロムは2月末、同社からウクライナ国営ネフトガスへの天然ガス供給を3月1日以降、停止する意向であることを明らかにした。双方は、契約内容の見直しを行ってきたが、合意に至らなかったという。これをもって、ガスプロムはネフトガスに前払い代金を全額返済したとしている。一方、ネフトガスは損害賠償請求に踏み切る姿勢を示した。

その後、ガスプロムとネフトガスは3月14日、ロシアからウクライナへの天然ガス輸出問題で協議することに合意。3月27日にも協議し、4月に再度、話し合いの機会を持つとしている。本件に関し、国際仲裁裁判所はこれまで、ガスプロムがウクライナへの天然ガス輸出契約を一方的に終了すると通告したことに対し、ガスプロムにネフトガスへの賠償金支払いを命じていたという。

他方、ロシア国営石油会社のザルベジネフチと、イランのダナ・エナジーは3月14日、イラン国営石油会社(NIOC)と、同国南西部のイーラーム州にあるアバン、ペイダールの2油田の開発に合意したと発表した。同日付の『ロイター通信』によると、総投資額は7億4,200万ドル。原油生産量を現行の日量3万6,000バレルから同4万8,000バレルに引き上げる予定という。権益比率は、ザルベジネフチが80%、ダナ・エナジーが20%となっている。

このほか、ロシア国営石油会社のロスネフチは3月19日に発表した決算で、2017年第4四半期(10~12月)の純利益が約17億4,000万ドルとなり、前年同期からほぼ倍増となった。原油価格の回復が寄与としたとみられている。

一方、ルクオイルは同四半期決算で、純利益が21億ドルとなり、前年同期から3倍近くの増加となった。売上高は前年同期の1兆4,000億ドルから1兆6,600億ドルに増加した。支払い金利前税引き前利益(EBIT)は、前年同期の1,833億ドルから2,237億ドルとなった。ロスネフチ同様に、原油価格の上昇基調が業績回復に寄与したとしている。

ところで、ロシアのノバテクは3月27日、ヤマルLNGプロジェクトで生産したLNGをインド向けに初出荷したと発表した。ヤマルLNGは、2017年12月にLNGの生産・輸出を開始している。