エジプトのシェリーフ・イスマイール首相は9月末、今年12月に生産開始を予定するエジプト沖合のゾア天然ガス田における生産量が日量5億立方フィートになるとの見通しを示した。この天然ガス田は2015年、イタリア炭化水素公社(ENI)が発見。天然ガスの推定埋蔵量は30兆立方フィートとされる。(国旗はエジプト)

一方、油田サービス大手の米ベーカーヒューズ(BHGE)は9月、ゾア天然ガス田開発に関連し、エジプトのペトロベルからフェーズ2の設計・調達・建設・試運転などの役務を受注したと発表。エジプトのターリク・ムッラー石油・鉱物資源相は、天然ガスを増産することで外資系エネルギー企業との関係強化に取り組む姿勢を示した。エジプト政府は今夏、2020年までに天然ガス生産量を倍増すると発表済みだ。また、同国は2019年までに天然ガスの輸入を停止し、国内生産で自国での需要を賄うとしている。

このほか、仏テクニップFMCは9月末、エジプトのMIDOR製油所の拡張プロジェクトが、計画どおりに着工するとの見通しを示した。このプロジェクトでは、製油所の精製能力を現行の日量11万5,000バレルから同17万5,000バレルに拡大する予定。テクニップはMIDOR製油所のほか、アシュート製油所で水素化分解プラントのプロジェクトも手掛け、エジプト国内の2プロジェクトに計37億ドルを投資しているという。9月26日付のサイト『エジプト オイル&ガス』などが伝えた。

エジプト以外では、南アフリカ共和国の国営石油会社であるペトロSAが9月4日、ロシアの地質探査会社のロスゲオロギア(本社:モスクワ)との間で、南アでの大陸棚鉱区の開発に合意したと発表した。開発鉱区の原油埋蔵量は約5,000万トン、天然ガス埋蔵量は約4,000億立方メートルとされる。開発費用を4億ドルと見込む。地震探査や探査井の試掘の後、本格的な活動開始時に天然ガスを日量400万立方メートル生産するという。

ところで、モザンビークの鉱物資源相は9月下旬、2030年までに国内における再生可能エネルギー発電プロジェクトに海外企業から5億ドルの投資を呼び込むとの見解を明らかにした。15年以内に332村に水力・太陽光による電力供給を行うと付け加えた。『AP通信』などが報じた。