エジプトやアルジェリア、アルゼンチンで再生可能発電プロジェクトが始動したほか、サウジアラビアがトルコで風力発電プラントの建設に乗り出す意向を示している。(写真はイメージ)
イタリア炭化水素公社(ENI)は9月29日、エジプトで再生可能発電プロジェクトを推進することに同国政府と合意したと発表した。最初のプロジェクトは、シナイ半島に50メガワット(MW)級の太陽光発電プラントを建設するもので、完工については2017年末を予定する。
ENIはまた、アルジェリア国営ソナトラックと組み、同国に太陽光発電(10MW)プラントを建設することに合意した。9月24日付の『ロイター通信』によると、アルジェリア南部のワルグラにプラントを設置し、ソナトラックが保有する石油・天然ガス田向けに電力を供給する見通しだ。今年末まで設置する予定で、アルジェリアは今後、発電用天然ガスの消費量を減らし、輸出に振り向ける方針だ。
他方、アルゼンチン政府は10月初旬、新たに再生可能発電量(1,109MW相当)のプロジェクトを初めて公募し、そのうち17プロジェクトを認可した。10月8日付のサイト『セブンデイ・ニュース』などによると、投資総額は18億ドルになるという。このプロジェクトを推進することで、国内における再生可能発電の割合を現行の1.8%から8%に引き上げるとしている。スペインのイソラックス・コルサンとフィールドフェアが太陽光発電、中国のエンビジョン・エナジーが風力発電でそれぞれ採用された。アルゼンチン政府は2025年までに、電力供給の2割を再生可能エネルギーで販売する予定だ。
このほか、サウジアラビアの電力・淡水会社ACWAパワーが、トルコに340MWの風力発電プラント建設を検討しているとの情報も伝わる。当局からの認可が下り次第、投資を開始する見通しだ。トルコ国内の電力需要は年率換算で4~5%で増加する傾向にあり、ACWAは商機があると判断したようだ。すでにトルコに進出するACWAは現在、首都アンカラ近郊で天然ガス焚きによる火力発電プラント(950MW)を建設中で、2017年第2四半期の稼働を予定しているという。