アフリカでは、原油や天然ガスを輸送するパイプライン建設にかかわる大型案件が動き出した。ウガンダ(首都:カンパラ)とタンザニア(法律上の首都:ドドマ)で原油パイプライン、モザンビーク(首都:マプト)と南アフリカ共和国(行政府はプレトリア)で天然ガスパイプラインの建設でそれぞれ合意に至るなど、エネルギー分野での関係が強化されている。(写真はウガンダの国旗) 

 ウガンダとタンザニアの両大統領はこのほど、両国間を結ぶ原油パイプラインの建設計画で合意した。3月2日付の『ロイター通信』や『ブルームバーグ・ニュース』が伝えた。当初、ウガンダはケニア経由のルートを検討していたが、このルートを採用すると、投資額が跳ね上がるとともに、ソマリアとの紛争で地政学リスクも考慮しなければならないため、結果的にタンザニア・ルートを選択したという。

ウガンダ―タンザニア間のパイプラインは全長約1,120キロメートル。タンザニア国営の石油開発公社TPDCは、タンザニア・ルートの投資額を40億ドルと見込む。両国は2015年10月、原油パイプラインの建設に関連した覚書(MOU)を交わしていた。

一方、サイト『エナジー・ペディア』などによると、モザンビークと南アフリカはこのほど、モザンビークのルヴマ海盆と南アのハウテン州を結ぶ天然ガスパイプライン(全長約2,600キロメートル)の建設計画に関する協定を締結した。

このプロジェクトには、モザンビーク国営の炭化水素公社(ENH)とコンソーシアムのプロフィン、南アの石油・天然ガス企業サクオイル、中国国営パイプライン会社(CPP)が建設にかかわる。投資額は60億ドルで、その7割に相当する42億ドルをCPPが投資するとしている。