「原油安ショック」シリーズの第39弾―米油田サービス企業のハリバートンとカナダの石油天然ガス企業であるエンカナが、追加の人員削減を実施する見通しのほか、資金調達を目的にオーストリアのエネルギー大手であるOMVが、海外子会社を売却する計画という。また、タイ国営石油・天然ガス企業のPTTが、液化天然ガス(LNG)の長期契約に関わる締結を延期する方針を固めたとの報道もある。

米ハリバートンは2月25日、新たに5,000人規模の人員削減を実施すると発表した。原油価格の下落が目立ち始めた2014年半ば以降、人員削減数は合計で約2万9,000人に達した。同社は、原油安の長期化を見据えたうえでの措置としている。

カナダのエンカナは、2016年中に従業員の2割を削減し、2億5,000万ドルのコスト削減を図る予定という。2月24日付のサイト『CBCニュース』などが報じた。人員削減が完了した時点で、13年比で従業員数が半減する。

一方、オーストリアのOMVは、トルコの子会社で燃料製品の貯蔵・物流・サービス・ステーション(SS)事業を展開するペトロール・オフィシを売却する方針だ。資金確保を急ぐ。OMVは2010年、ペトロール・オフィシの株式54%を13億ドルで買収した後、最終的に96%まで買い増した。2月12日付のサイト『デイリー・サバー』などによると、2015年の燃料販売量は1,000万トンだったとしている。

このほか、タイ国営PTTは、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルと英BPから供給されるLNGの長期契約の購入にかかわる引き取り開始を延期する見通しだ。2月16日付の『ロイター通信』によると、PTTは長期契約でなく、スポット契約を求めている。スポット契約は、長期契約に比べ百万英国熱量単位(mmBTU)当たり6~7ドルほど割安だという。