韓国がイランとの石油・天然ガス取引を活発化させている。イランからの輸入量が増加、6月はコンデンセート輸入量が過去最高を記録する見通しという。また、韓国国内では政府が環境対策を強化している。

国際エネルギー機関(IEA)は6月下旬、今年5月のイランの原油生産量が日量約364万バレルと、2011年6月以降で最速の増産ペースになっていることを明らかにした。イランの核開発にかかわる欧米など6カ国との協議で最終合意に至ったことに伴う、今年1月の対イラン経済制裁の解除で、同国の生産活動が勢い付いているという。

6月9日付のサイト『マリーン・リンク』などによると、韓国の6月のイランのからのコンデンセート輸入量は、過去最高の600万バレルになる見通しという。1月に比べ約4倍となり、4月の300万バレル、5月の400万バレルから大幅に増加していることが数字上からも明らかとなった。韓国の主要輸入先である中東カタールと比べ、イラン産コンデンセートは1バレルあたり2~3ドル程度割安という。カタールからの4月のコンデンセート輸入量は1月比で19%減の532万バレルだった。今夏、韓国では現代ケミカルの石化プラントが稼働を開始するため、今年後半にかけてイランからの輸入がさらに増加すると見られている。

また、6月19日付のサイト『MEHR通信社』によると、イランが操業をスタートさせたサウス・パース19フェーズから天然ガス・コンデンセートを同国初となる輸出先である韓国に出荷した。浮体式液化天然ガス(FLNG)施設から30万バレル相当が輸出されたという。

一方、韓国国内では現在、政府が環境対策に躍起となっている。その一環として、旧式ディーゼル車の取締りを強化している。これにより、環境対応車の販売を促進する狙いがあるという。6月3日付の『聯合ニュース』によると、朴槿恵大統領は2020年までに電気自動車(EV)などの環境対応車の販売台数を全体の30%に引き上げる目標を表明済みだ。また、首都ソウルを中心とした首都圏では、旧式ディーゼル車の使用を制限するとともに、稼働から40年以上を経過した石炭火力プラントを閉鎖する計画であるという。6月28日には、20兆ウォン超の景気対策を韓国政府が発表。老朽化したディーゼル車を廃棄し、新車を購入した場合に個別消費税を減免するなどの項目が盛り込まれた。