今回は、英国における最近のエネルギー開発動向を中心に話題を取り上げる。

英カードリラは10月29日、ランカシャー地方のプレストン・ニュー・ロードで実施している水圧破砕工法(フラクチャリング)によるシェールガス探査作業について、同日にマグニチュード(M)1.1の地震を検知したため、探査作業を中断したと発表した。ルールによると、マグニチュード0.5以上の地震を検知した場合、事業者は作業を18時間停止した上で、その後の状況をモニターすることになっている。探査をスタートしてから2週間で、地震検知による作業中断は2回目になるという。

他方、ノルウェー石油エネルギー省(MPE)は10月末、英エネルギー開発会社のクリューソールの現地子会社が、北海鉱区(PL038D)の権益15%を取得することを認可したと発表した。

英ニューエイジは10月18日、カメルーン沖合で展開するEtinde天然ガス田鉱区(IM-6、IE-4)を試掘したところ、新たな天然ガス埋蔵層を確認したと発表した。IM-6井では1,500億~2,500億立方フィートの天然ガスを確認したという。8月末に試掘を終えたIE-4井の埋蔵量は「評価中」とした。

英BPは10月22日、英国石油・天然ガス機関(OGA)が、北海のAlligin油田開発を認可したと発表した。当該油田は、シェトランド諸島の西方約140キロメートル、水深475メートルに位置する。ピーク時の原油生産量は日量1万2,000バレルを見込む。2020年の生産開始を予定。権益比率は、オペレーターのBPが50%、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが50%。

このほか、イタリア炭化水素公社(ENI)が10月、BP、リビア国営石油会社(NOC)と、リビアの石油・天然ガスにかかわる生産分与契約(EPSA)に向けた基本合意書に署名したとのニュースが伝わっている。EPSAに基づく探査・生産活動は2007年に開始したが、14年以降は中断していた。ENIやBPは、19年から探査活動を再開する見通しだ。