今回は、ブラジルにおける最近のエネルギー事情を取り上げる。落札情報のほか、ディーゼル販売を促進するため、政府が補助金の支給を正式に決定したとのニュースが伝わっている。

ブラジル石油庁(ANP)は9月28日、プレソルト鉱区(第5ラウンド)の入札に関連し、4鉱区すべてが落札されたと発表した。なお、4鉱区の推定埋蔵量は原油換算で計120億バレルとされる。落札結果は以下のとおり。

サントス海盆のSaturno鉱区-シェル・ブラジル、シェブロン・ブラジル・オレオ、Tita鉱区-エクソンモービル・ブラジル、QPIブラジル、Pau-Brasil鉱区-BPエナジー、エコペトール、中国海洋石油(CNOOC)、カンポス海盆のTartaruga・Verde鉱区-ブラジル国営ペトロブラス。ANPは9月4日、プレソルト4鉱区の入札に関連し、シェブロン、CNOOC、エコペトール、エクイノール、エクソンモービル、ペトロブラスの計6社に対し、入札参加を認可していた。

このほか、ANPは9月18日、国内石油3社(ペトロブラス・ペトロエネルギア・ダックスオイル)のディーゼル販売を促進するため、補助金(8億7,790万ブラジルレアル)の支給を決定したと発表。同国では5月、ディーゼル価格の高騰を受け、トラック運転手がストライキを決行。政府との間でこれまで、補助金の支給で合意していた経緯がある。

ところで、米エネルギー情報局(EIA)は9月21日、ブラジルのエタノール生産量に関し、原料となるサトウキビの収穫に応じて毎年第4四半期(10~12月)にピークを迎えるとした上で、ブラジルの液体燃料生産量の月次変化が大きいとの見方を示した。EIAによると、2017年の石油類の生産量は日量336万バレルで、このうち56万バレル(20%に相当)がバイオ燃料だったという。

一方、ペトロブラスは9月24日、2018年8月の原油・天然ガス生産量が前月比5.1%減の日量247万バレル(原油換算)になったと発表した。ブラジル国内での生産量は同235万バレル(同)という。春先以降、生産量は増加傾向にあったが、自国通貨の急落を受け、足元では需要減退がみられるとしている。