アルゼンチン政府は6月1日、翌日からガソリン価格を4.5%、ディーゼル価格を5%値上げすると発表した。同国のエネルギー・鉱山省は、値上げの理由として、原油価格の高騰に加え、為替レートの変動を挙げた。また、7月にも追加値上げに踏み切る見通しを示した。(国旗はアルゼンチン)

ブラジルでは、国営石油会社であるペトロブラスのパレンテ最高経営責任者(CEO)が6月1日付で辞任した。原油など燃料価格の高騰を受け、石油産業の労働組合などが全国規模のストライキを実施。その責任をとり、辞任したとされている。

このほか、ブラジルのテメル大統領は6月6日、今後10年間の温室効果ガス(GHG)排出量削減目標を承認、その内容を公表した。それによると、燃料関連の二酸化炭素(CO2)排出量を10%削減する。ブラジル政府は、エタノール・バイオディーゼルの消費拡大を見越し、原油価格の影響を減らし、燃料価格の低減を図る狙いだ。GHG排出量の削減計画は、「レノババイオ」プログラムの一部として位置付けられている。

ところで、ブラジル石油庁(ANP)は6月7日、プレソルト鉱区の第4ラウンドの入札に関連し、4鉱区のうち3鉱区の落札を発表した。落札鉱区は、サントス海盆トレス・マリナス鉱区(保有権益はペトロブラス30%、シェブロン・ブラジル30%、シェル・ブラジル40%)、同海盆ウィラプル鉱区(ペトロブラス30%、エクソンモービル28%など)、カンポス海盆ドリス・イルマオス鉱区(ペトロブラス45%、英BPエナジー30%など)。

経済危機で揺れるベネズエラでは、国営PDVSAが6月半ば、Amuay製油所の第4常圧蒸留装置(CDU)の補修工事が終了したと発表した。同製油所は、カリブ海沿岸のロス・タケスに位置する。

ところで、複数報道によると、原油輸出にからみ、PDVSAがフォースマジュール(不可抗力)を宣言する可能性があるとされた。米シェブロン、ロシアのルクオイル、インドのリライアンス工業(RIL)など計8社に対し、6月分の原油供給が契約料を満たせないという。原油生産活動が落ち込むベネズエラでは現在、主要な輸出港で原油タンカーの待機にともなう渋滞が日常化しているという。