米エネルギー情報局(EIA)は5月24日、エジプトの国別レポートを更新し、その内容を発表した。それによると、エジプトの原油生産量は、石油輸出国機構(OPEC)非加盟国の中でアフリカ大陸第1位、天然ガス生産量はアフリカ大陸全体で第3位である。

また、原油類の確認埋蔵量は44億バレル。2017年の石油類の生産量は日量66万6,000バレル。17年の原油消費量は、同80万2,000バレルで、07年から約16%増加したという。国内9製油所の総精製能力は日量72万6,000バレルでアフリカ最大規模である。

天然ガスの確認埋蔵量は77兆2,000億立方フィート。2016年の生産量は、12年比31%減の日量40億立方フィート。16年の輸入量は同10億立方フィートだった。

他方、欧州復興開発銀行(EBRD)は、エジプトのスエズ・オイル・プロセッシング・カンパニー(SOPC)の製油所(精製能力は日量6万8,000バレル)の近代化プロジェクトに2億ドルを融資すると発表した。プロジェクトでは、処理原油の多様化、製品品質の改善を目指す。また、効率改善で温室効果ガス(GHG)排出量を二酸化炭素(CO2)換算で年間28万5,000トンを削減するとしている。

エジプト石油相は5月21日、石油・天然ガス鉱区の国際入札を2件、2018年に実施すると発表した。対象鉱区は、国営エジブト天然ガスホールディング(EGAS)が保有する16鉱区、国営ゼネラル・ペトロリアム・コープ(EGPC)が保有する11鉱区である。

このほか、本フロントライン(5月31日配信)で取り上げたように、イタリア炭化水素公社(ENI)が5月10日、エジプト沖合地中海のゾア天然ガス田で、第3生産設備を稼働したと発表。天然ガスの総生産能力は日量4億立方フィートから同12億立方フィートに増強される。ENIはまた、エジプト・シナイ半島沖合の地中海で予定される原油・天然ガス探査に関連し、エジプト政府から許可されたことを公表済みだ。今後、エジプトのサーワとともに探査活動に乗り出す。期間は6年間、投資額は1億500万ドルとされる。