イラク政府は5月初旬、米エクソンモービル、中国石油天然気(ペトロチャイナ)と、イラク南部で展開される「サウス・インテグレーティッド・プロジェクト」で、天然ガスプラント建設や、貯蔵施設、パイプライン、輸出インフラに乗り出す意向を明らかにした。イラクの『ビジネス・ニュース』などが報じた。(国旗はイラク)

また、『ロイター通信』などによると、中国のパワーチャイナなどが、イラク南部のバスラ県にある港湾都市ファオで計画されている、製油所の建設役務を受注したという。製油所の精製能力は日量30万バレルで、石油化学プラントも併設される予定だ。

他方、クウェート・エナジーが4月末、イラク南部のシバ天然ガス田での生産活動を開始したと情報が伝わる。このガス田における現在の天然ガス・コンデンセート生産量は日量2,500万立方フィートとされるが、2018年末までに同1億立方フィートまで増産する予定という。

ロシアからの報道によると、同国のノバク・エネルギー相が、イランからロシアへの原油供給にかかわる契約を延長する方向で協議するとの見方を示したという。両国は2014年、5年間にわたる原油供給「オイル・フォー・グッズ・プログラム」に合意した。これに基づき、1回目の取引が17年11月に実施された。このプログラムは、イランがロシアに原油を供給するのに対し、ロシアはイランにさまざまな商品やサービスを提供する取引だ。

ところで、イラン国営石油化学(NPC)と、中国石油・化学工業連合会(CPCIF)が、イランでの石化工業団地の建設に合意し、覚書(MOU)に調印したと、サイト『Shana』が報じた。イランと中国の両政府は2015年、石油化学事業における関係を強化することで合意していた。

イラン関連ではこのほか、韓国のSKグループ傘下にあるSK仁川石油化学がイランからの軽質原油の輸入量を減らしているとの情報が伝わっている。SK仁川石化はこれまで、イランからコンデンセートを月間ベースで110万バレル輸入していたが、価格上昇のあおりを受け、2017年第4四半期から同55万バレル程度にまで減らしたとされる。代替としてロシア、カザフスタン、ナイジェリアなどから軽質原油の輸入を増やしていると公表している。