米エネルギー情報局(EIA)は3月5日、スーダンと南スーダンの国別レポートを更新、その内容を公表した。2011年7月に独立した南スーダンは、スーダンを合わせた原油生産能力が75%に及ぶものの、輸出用のパイプラインなどをスーダンに依存している。(国旗はスーダン)

原油の確認埋蔵量はスーダンが15億バレル、南スーダンが35億バレル(いずれも2017年1月現在)で、そのほとんどが両国にまたがるムグラート、メルート盆地に存在する。2016年の原油生産量は、両国合わせ日量25万7,000バレルで、分離独立前の同48万6,000バレル(2010年)から減少している。他方、16年の原油輸出量は、両国合わせ日量12万7,000バレルで、12年の6万5,000バレルから増加した。輸出先の99%が中国だった。

2017年のスーダンと南スーダンの石油消費量は、日量計10万5,000バレルで、ピーク時(09年)の同12万5,000バレルから減少に転じている。スーダンには2つの製油所があり、精製能力は日量計14万3,700バレル。南スーダンには製油所が存在せず、2つの製油所を建設中という。他方、天然ガスの埋蔵量は両国合わせ3兆立方フィートとされるものの、開発はほとんど行われていないのが実情だ。

このほか、エジプティアン・リファイニング・カンパニー(ERC)が、カイロ近郊のモストロッドで計画する製油所の工事が2018年6月に完了し、試運転に入る見通しだ。3月5日付の『ロイター通信』によると、石油製品を年間470万トン生産し、エジプトの燃料輸入量を30%削減することを目指すとしている。

2月28日付のサイト『ヴァンガード』などによると、米エクソンモービルの液化天然ガス(LNG)マーケティング部門を統括する幹部が、アフリカのモザンビークでLNG輸出施設の建設を計画しているとの意向を表明したという。エクソンモービルはまた、パプアニューギニアやカタールでのLNG事業拡大も検討しているようだ。

ところで、ナイジェリア国営石油会社(NNPC)は2月27日、同国のコギ州政府とバイオ燃料開発プロジェクトに関連し、覚書(MOU)に調印したと発表した。サトウキビ、キャッサバ、パームなどを原料にして、コギ州でバイオ燃料を生産し、農産物の工業化を目指すという。NNPCは、生産能力が年間8万4,000キロリットルのプラント建設を計画する。