カナダの国家エネルギー委員会(NEB)は2月15日、「トランス・マウンテン」原油パイプライン拡張工事に関連し、ブリティッシュコロンビア州南西部に位置するバーナビー市でウエストリッジ・マリーン・ターミナルのトンネル入り口部分での工事を認可したと発表した。これに対し、バーナビー市は、この決定を拒否しているという。

他方、カナダのパイプライン建設会社であるトランス・カナダは2月15日、天然ガスパイプライン「ノヴァ・ガス・トランスミッション・ライン」(NGTL)の増強工事を決定したと発表した。投資額は19億ドルで、天然ガス輸送量を日量ベースで10億立方フィート増強するという。2019年に着工の予定だ。

カナダのオンタリオ州政府は2月22日、水素燃料電池(HFC)を電源に使用した架線の不要な鉄道システム「ハイドレール」の事業化調査(FS)結果を発表した。それによると、鉄道会社ゴー・トランジットとUPエクスプレスがハイドレールを導入した場合、かかるコストは、架線を利用する電車と同等の水準になるという。オンタリオ州は、水素燃料電池を備え付けた2階建て列車の概念設計で、アルストームとシーメンスの2社を起用する予定だ。

このほか、スコシア銀行(本社:トロント)のエコノミストが、カナダは原油生産量に対し、パイプラインの本数が不足していると指摘。カナダ産の原油価格は輸送分がディスカウントされ、現在の価格水準でそのディスカウント分の総額は、2018年に年間156億カナダドルになると試算した。2月21日付のサイト『iPolitics』などが伝えた。

ところで、カナダのバイオ燃料生産会社であるエナーケムは2月6日、ブラックロックやシノバイオウェイなどから2億8,000万カナダドル(約2億2,300万ドル)の資金調達が完了したと発表した。エナーケムは、2035年までに中国国内に約100カ所のバイオ燃料生産プラントを建設する計画だ。都市ごみなどを原料に、ガス化・触媒反応でメタノールやエタノールなどを製造するという。