南アフリカ共和国が、今後1年半以内にシェールガス探査に乗り出すことが判明したほか、米エネルギー企業がモーリタニアとセネガル沖の天然ガス鉱区で埋蔵量が確認されたことを受けて、液化天然ガス(LNG)プロジェクトを計画することが明らかとなった。(写真はイメージ。横浜で開催された第5回TICAD会場の様子)

南アフリカでは、同国政府が3月8日、今後1年半以内にシェールガス探査を開始すると発表した。乾燥地帯のカルー地方には、シェールガスが485兆立方フィート以上埋蔵されているという。ただ、これまでは水圧破砕工法(フラクチャリング)による環境面に対する懸念や、採算ベースに乗るかが疑問視されていたことなどで、掘削作業が遅々として進まなかった。

南アでの探査を実施する英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルは、認可が下り次第、2億ドルを投じて6井を掘削する予定だ。昨年3月、シェルは南アでのシェールガス探査から撤退する方針を示していたが、このたび、認可される見通しが立ったことで再び動き出すことになったようだ。3月8日付の英紙『ガーディアン』などが報じた。

他方、3月21日付のサイト『ビジネス・レコーダー』などによると、モロッコの司法当局がこのほど、同国唯一の石油精製会社であるサミールの清算を命じたことが分かった。サミールは、コーラル・ペトロリアム・ホールディングスの傘下企業で、昨年8月にモハメディア製油所(精製能力は日量20万バレル)の操業を停止している。サミールの負債総額は45億ドル超とされている。

このほか、米石油・天然ガス開発会社のコスモス・エナジーは、モーリタニアとセネガル沖合に位置するTortue西鉱区アーメイム-2井の掘削で、天然ガスの推定埋蔵量がこれまでの11兆立方フィートから15兆立方フィートに増加したことを確認した。その結果、Tortue鉱区の全域で推定埋蔵量が17~20兆立方フィートに増加。これを受けてコスモス・エナジーは、LNGプロジェクトに取り組む方針を固めたとされる。3月16日付のサイト『オフショア・エナジー』などが伝えた。