今回は、ナイジェリアとアルジェリアにおける製油所の建設プロジェクトに関する最新情報を取り上げる。(写真はイメージ。横浜開催の第5回TICAD会場。ナイジェリアのブース)

3月8日付のサイト『スプートニク・インターナショナル』などによると、ナイジェリア石油相が1年半以内に石油製品の輸入をなくしたいとの見解を示したという。ナイジェリアは、アフリカ大陸で最大規模を誇る産油国であるが、大掛かりな犯罪組織による盗油事件に加え、メンテナンスの不備などが理由で、国内製油所はフル稼働できず、結果として高価な燃料を輸入することで不足分を補う事態が常態化しているという。そのため、同国は今後1年半の間に2億5,000万ドルから5億ドルを投入し、製油所の最適化を図る方針としている。

ナイジェリア国営石油会社(NNPC)は3月初め、国内3製油所のうち、ポートハーコート製油所(精製能力は製油所Ⅰ、Ⅱを合わせ日量15万5,000バレル)だけが稼働していると発表。エスクラボス-ワリ原油パイプラインが攻撃を受けたことで、カドゥナ製油所(同16万5,000バレル)は稼働停止の状態という。3月7日付のサイト『オール・アフリカ』が報じた。

ところで、ナイジェリアの複合企業(コングロマリット)であるダンゴート・グループは、製油所での業務を担える専門家を育成するため、800人の訓練生を選抜しているそうだ。このうち、すでに50人が3月末、派遣先のインドに向かったという。ダンゴートは今後2年間にわたって50人ずつをインドに派遣する計画だ。ダンゴートは現在、90億ドルを投資して、精製能力50~65万バレルの製油所建設ブロジェクトを展開している。

一方、アルジェリアでは、エネルギーコンサルティングやエンジニアリングのサービス提供などが主業務のアメック・フォスター・ホイーラーが3月8日、アルジェリアで新設する3つの製油所プロジェクトで、同国国営のソナトラックから基本設計業務(FEED)を受注したと発表した。製油所の新設場所は、ビスクラ県、ティアレット県、ハシメサウド(ワルグラ県)の3カ所で、総精製能力は年間500万トン、日量ベースで10万バレルという。アルジェリア国内で産出される原油を処理する予定だ。

米エネルギー情報局(EIA)は3月半ば、アルジェリアの国別レポートの内容を更新し、発表した。それによると、2016年1月の同国の原油埋蔵量は122億バレルとし、長年にわたり変化はないという。海洋における原油探査が遅延しており、全て陸上における埋蔵量の数字となっている。2015年の原油類の生産量は日量170万バレルで、このうち原油が同110万バレルとなっている。2015年の原油輸出量は同54万バレルで、76%が欧州向けである。国内5カ所にある製油所の総精製能力は同52万3,000バレル。国内の石油製品の消費量は同43万3,000バレルとしている。

アルジェリアにおける天然ガスの確認埋蔵量は159兆立方フィート(2016年1月現在)で、世界第11位にランクされる。2014年の年間生産量は前年比4%増の6兆6,000億立方フィート。シェールガスの埋蔵量は世界第3位で、技術的可採埋蔵量はシェールガスで707兆立方フィート、シェールオイルで57億バレルと、それぞれ評価されている。