エジプト政府が国内初となる原子力発電所の建設に乗り出す。建設予定地は地中海沿岸のダバアで、ロシア国営原子力企業のロスアトムが原発4基を建設する予定だ。2025年をめどに完工を目指す。サイト『アルアハラム』によると、エジプト政府とロスアトムは今夏までに正式契約に漕ぎ着ける見通しとしている。エジプトは1950年代から原発建設の計画を立ててきたが、1986年に旧ソ連(現ウクライナ)で発生したチェルノブイリ原発事故を契機に自国での原発計画を断念。その後、2015年にエジプト政府はロシアと覚書(MOU)を締結し、あらためて原発計画に乗り出すことになった。(国旗はエジプト)

米ベクトルは4月19日、エジプト・カーボン・ホールディングスからエジプトのアイン・スクナで展開する石油化学プロジェクト「タハリール・ペトロケミカルズ・コンプレックス(複合施設)」で、プロジェクト・マネージメント、ポリプロピレンのプラント2基の建設にかかわる役務を受注したと発表した。

他方、アラブ首長国連邦(UAE)のシャールジャ首長国を本拠とするダナ・ガスは4月26日、エジプトにコンデンセートを初めて販売したと発表した。その上で、ダナ・ガスはナイルデルタに保有するアル・マンザラ天然ガス田で産出のコンデンセート1船分15万バレルに対し、エジプト側から720万ドルが支払われたと付け加えた。ダナ・ガスは今後12カ月間に3船分を販売する見通しを示した。

このほか、英BPは5月10日、エジプトの西ナイルデルタにあるタウルス・リブラ鉱区で天然ガスの生産活動を開始したと発表した。生産量は日量7億立方フィートという。西ナイルデルタでは、2019年に国内生産量の約30%に相当する日量15億立方フィートの生産量が見込まれる。

エジプト以外では、南スーダン政府が同国のブロックB1、B2鉱区の権益を有する仏トタル、英タローオイル、クウェートの探鉱会社(Kufpec)と交渉が不調に終わったため、あらためて入札を行うことを明らかにした。4月24日付のサイト『オイルプライス』などによると、当該鉱区は炭化水素が豊富にあるとされるものの、これまで掘削作業が手つかず状態であったという。