バイオ燃料をめぐる取り組みが引き続き、活況を呈しているようだ。米ユナイテッド航空がこのほど、定期便へバイオジェット燃料の給油を開始したほか、カナダの独立団体が、再生可能エネルギー開発への助成を強化するなどの情報が伝わっている。

ユナイテッド航空は3月11日、米国で初めてバイオジェット燃料を定期便に給油したと発表した。燃料の混合比率は、バイオ30に対し石油系が70。バイオ燃料の供給元はアルタイル・パラマウント(米カリフォルニア州)で、ユナイテッド航空は3年間で1,500万ガロンを調達することで合意済みだ。今後、ロサンゼルス国際空港の運航に使用することになる。1,500万ガロンは、ロサンゼルス―サンフランシスコ間(直線距離で約500キロメートル)の1万2,500便分に相当するという。

他方、米国では、2015年のエタノール(燃料用)の輸出量が8億4,400万ガロンで、2011年以来、最大を記録した。3月10日付の米エネルギー情報局(EIA)がウェブ上で公表した。輸入量は9,200万ガロン。結果として、燃料用エタノールは6年連続で純輸出国となった。米国は世界35カ国に燃料用エタノールを輸出しているという。

一方、カナダでは、政府から独立した団体である「持続可能な開発技術(SDTC)」が、コメット・バイオリファイニングの推進するバイオプラント建設計画に1,090万カナダドルを助成する。コメットが3月7日、リリース発表した。建設する場所は加オンタリオ州サーニアで、トウモロコシの藁などを使用し、高純度のセルロース系ブドウ糖を製造するとしている。

このほか、加アルバータ州の「気候変動と排出量管理社(CCEMC)」は3月10日、SBIバイオエナジー社が進める、規格で定められた混合燃料(ドロップイン型)の再生可能ディーゼル・ジェット燃料・ガソリン製造に1,000万カナダドルを助成すると発表した。CCEMCは温室効果ガスを削減し、気候変動に適応するプロジェクトを支援する目的で2009年に発足した非営利団体。SBIのドロップイン再生可能ディーゼルの製造能力は現在、年間1万キロリットルとされる。