豪州における液化天然ガス(LNG)ビジネスが勢いを増している。豪連邦政府はこのほど、2016~17会計年度のLNG輸出量が前年度比で40%増になるとの予測を公表した。これにともない、LNG輸出額も大幅増になるとの見通しを示した。
豪州産業イノベーション科学省は10月初旬、2016~17会計年度のLNG輸出量が前年度比40%増の5,100万トンに達すると予測した。また、2017年半ばまでに輸出能力は1,500万トン増加し、6,600万トンになる見通しとした。同会計年度のLNG輸出額は同41%増の230億米ドルで、日本、韓国、中国への輸出増が貢献するとしている。
豪州では現在、LNGプロジェクトでの生産事業が活発化している。豪クイーンズランド州グラッドストーン近郊のカーティス・アイランドで展開されるオーストラリア・パシフィックLNG(APLNG)の第2系列が10月初旬、LNG生産を開始した。APLNGからのLNG出荷数は、今年1月の初出荷以来47隻に上るという。10月10日付のサイト『オイル&ガスジャーナル』などが報じた。
また、米シェブロンが主導する西オーストラリア州のゴーゴンLNGプロジェクト(1,560万トン/年)では、第1系列が今年3月にLNGを初出荷した。第2系列が今年の第4四半期、第3系列が2017年第2四半期にそれぞれ初出荷される見通しだ。オペレーターのシェブロンは、同州バロー島沖合の天然ガス田で産出されるコンデンセート60~65万バレルを今年12月にも出荷する予定(10月13日付の『ロイター通信』)という。
ところで、9月12日付の豪紙『オーストラリアン』は、豪州では今後5年間で総額200億豪ドル(約1兆5,500億円)規模の開発投資が行われる見通しと報じた。西オーストラリア州と北部準州(ノーザン・テリトリー)で、LNGプロジェクト2件が今後10年間に生産を減らすことを踏まえ、既存施設を利用することで新規のプロジェクトが立ち上がるとの見方を示した。