エジプトで燃料補助金を3年以内に廃止する計画が進んでいる。また、国営石油などが同国の証券取引所に新規上場するとの報道について、政府幹部がこれを否定する見解を示した。

燃料補助金の3年以内の廃止計画については、エジプトの財政事情と大きなかかわりがある。エジプト政府は現在、国際通貨基金(IMF)との間で融資交渉を行っている。8月23日付のサイト『アルガム』によると、現時点で、IMFが120億ドルをエジプトに融資する方向で事務レベルの合意にあるとしている。

ただ、融資条件をクリアするために、エジプト政府は各種助成金の大幅削減、付加価値税の導入など、財政改革を実行することが前提とされる。燃料価格については、2016~17年度に実際のコストの65%まで引き上げられるとの見方が浮上しているそうだ。

また、エジプト政府はこれまで、国営石油会社や金融機関などを新規上場させる方針を非公式に示してきた。このほど、エジプトのターレク・エルムッラー石油相は、カイロ石油精製会社(CORC)のエジプト証券取引所(旧カイロ・アレキサンドリア証券取引所)への上場を否定した。8月7日付のサイト『ザウヤ』などが報じた。

一方、イタリア炭化水素公社(ENI)と英BPは7月末、エジプトの南バルチーム天然ガス田の生産目標を日量ベースで本年度末までに3億5,000万立方フィートにすると発表した。産出された天然ガスを2017年下半期にエジプト国内向けに供給する予定だ。サイト『トレード・アラビア』(7月31日付)によると、バルチーム天然ガス田の可採埋蔵量は7,000億立方フィートという。

このほか、鉱区の権益売却に関するニュースも伝わっている。豪ビーチ・エナジーは8月17日、エジプトの西デザートのアブ・セナン鉱区の権益22%のほか、保有するエネルギー関連資産を英ロックホッパー・エクスプロレーションに売却を完了したと発表した。売却額は最大で2,050万ドルという。ビーチはこの鉱区を2010年に取得済みだ。残りの権益は、クウェート・エナジーが50%、ドーバー・インベストメンツが28%をそれぞれ保有する。