米国では現在、自動車燃料に関わる技術開発に対し、政府が積極的にこれを後押しする動きが伝わるほか、代替燃料や先進技術を採用するなどの企業努力が効果を発揮しつつあり、燃料開発がさらに加速するとみられている。今回は、そのいくつかのケースを拾った。

米エネルギー省(DOE)はこのほど、高効率・低排出・高性能エンジン向けの燃料開発プロジェクトに700万ドルを助成することを明らかにした。「Co-Optima」と呼ばれるこの計画は、過去10年間に実施された研究において、新規燃料に最適とされるエンジンで、高効率で有害廃棄物の排出量削減が可能であるとの報告を得た。これを受け、DOEは商業ベースにつなげるために技術開発のさらなる支援を決定したとされる。

他方、オピニオン・リサーチ・コーポレーション(本社:米ニュージャージー州プリンストン)がこのほど、1,006人を対象に実施した自動車購入に関する調査で、米国の消費者が「燃費」をより重視していることが判明した。それによると、消費者が購入する車種を選択する基準の第1位が燃費で全体の57%を占め、価格(55%)、安全性(54%)と続く。オピニオン・リサーチは、5年前と比較して燃料価格が4割ほど下落しているにもかかわらず、2011年の調査結果と内容が一致しているとしている。

ところで、8月1日付のサイト『エナジー・ゴブ』などによると、米国では2015年、プラグイン電気自動車(PEV)の保有台数が、人口1,000人当たりで2台を超えている州が全米で5州あったことが判明した。全米で最大だったのはカリフォルニア州で4.68台。上位は、ハワイ、ワシントン、ジョージアの各州がいずれも約2台と続く。ちなみに最低はミシシッピ州だったという。

米貨物輸送会社のUPSは現在、代替燃料と先進技術を採用した輸送車両による年間走行距離を10億マイルとする目標を掲げ、この計画を実行しているという。こうした状況下、UPSは8月2日、ニュース・リリースで「計画よりも1年前倒しでこれを達成した」ことを明らかにした。達成できた理由について、同社は「ディーゼルやガソリンの約12%が再生可能なガスやディーゼルに置換した」ことを挙げた。