液化天然ガス(LNG)の調達をめぐる東アジア地域の協力関係が強化されそうだ。東京電力と中部電力が折半出資するJERA(ジェラ)と韓国ガス公社(KOGAS)、中国海洋石油(CNOOC)の日中韓3社は近く、LNG調達などで協力関係を結ぶことになった。(写真は昨年11月に開催された日中韓首脳会談=外務省HPより、内閣広報室提供)

JERAの担当者によると、3社はLNGの共同調達や、在庫調整のための相互融通などで3月中にも正式合意する見通しだ。協力関係の構築について「世界経済やエネルギー政策が不透明ななか、LNG調達も不安定となる。こうした事態に対応するため、柔軟性をもってLNGを調達できるようにする」(同担当者)としている。

BP統計(2014年)によると、LNGの国別輸入量は、世界で日本が第1位(36.6%)、2位が韓国(16.7%)、3位が中国(7.5%)となり、上位3カ国で世界全体の6割強を占めている。また、JERA、KOGAS、CNOOCの3社分で、LNG輸入量は世界の約4割を占める。輸入上位国が連携することで、産ガス国への価格交渉を優位に導くことにつながると期待される。

ところで、天然ガスやLNG調達についてはここ数年、日中韓の政府系エネルギー研究機関が、最もクリーンな天然ガスの有効活用をどう進めるべきかを活発に討論してきた。2020年にかけて、アジア向けLNGの供給が拡大するとの見通しを踏まえ、今後、数年でアジアでの政府・企業の取り組みが重要と指摘。LNG仕向地条項(LNGの売買契約で、受渡場所が事前に決められ、買い手が第三者に転売することを認めない条項)の緩和や撤廃などが主要な議題に上がり、流動性に富んだ市場機能をより発揮するための環境整備に向けた取り組みが必要とした。そのうえで、3カ国が目指す方向は一致していると結論付けた。

昨年11月1日には、日中韓の3カ国首脳によるサミットがソウルで開催された。共同記者会見で首脳同士が3カ国間の協力強化を内外に表明したことを受けて、ビジネス環境の改善に弾みが付き、エネルギー業界にも追い風となりそうだ。