エジプトのアトール天然ガス田プロジェクトで、英BPはこのほど、開発に着手すると発表したほか、エジプトのゾア天然ガス開発プロジェクトでは、伊サイペムが設計から調達、建設、設置までを担うEPCI業務をペトロベルから受注したとの情報が伝わっている。

BPは6月20日、エジプト国営EGASと共同でアトール天然ガス田開発プロジェクトについて「フェーズ1」に着手すると発表した。フェーズ1での生産目標は、最大で日量3億立方フィートという。2018年上半期の生産開始を目指す。生産された天然ガスは、エジプト国内で消費される予定だ。アトール天然ガス田は、イースト・ナイル・デルタ沖合に位置する。埋蔵量は天然ガスが1.5兆立方フィート。ちなみに、権益はBPが100%保有している。

他方、EGASは6月28日、エジプトで3基目となる浮体式の液化天然ガス(LNG)貯蔵・再ガス化施設(FSRU)の入札を開始したと発表した。再ガス化能力は、日量ベースで7億5,000万フィート。FSRUは、これまでの2つの施設と同様にアインスクナに設置するという。アインスクナは、スエズの南方55キロメートルの紅海に面したエジプトの都市である。

ところで、現在、EGASのLNG輸入量は日量約11億立方フィートだ。今回、3基目のFSRUがつくられることで、LNG輸入能力は同19億5,000万フィートまで増加する見通しだ。6月29日付のサイト『LNGワールド・ニュース』などによると、エジプトは今後、天然ガスの開発に力を注ぐことで、2022年までには自給が可能になるとしている。

一方、イタリアの油田サービス会社であるサイペムが、エジプト領の地中海沖合で展開するゾア天然ガス開発プロジェクトに関連し、EPCI業務をエジプトのペトロベルから16億ドルで受注した。7月7日付のサイト『ワールド・オイル』によると、今年7月末からスタートし、2017年末までに天然ガス生産に漕ぎ着ける予定という。ペトロベルは、イタリア炭化水素公社(ENI)とエジプト国営石油会社(EGPC)の合弁企業。ゾア天然ガス田は、ENIが2015年8月に発見した。