インドの西ベンガル州でこのほど、米政府のサポートを受けた探査活動の結果、8兆立方フィートに及ぶ大規模なシェールガス埋蔵が発見されたことが判明した。(写真はエサール石油のロゴマーク)
インドのエサール石油は6月下旬、同国西ベンガル州ラニガンジ・イースト鉱区の炭層メタン(CBM)埋蔵層の下部に8兆立方フィートの大規模シェールガス埋蔵を発見したことを明らかにした。米国貿易開発庁(USTDA)のサポートを受けた米企業が探査活動に携わったという。その結果、現在の技術で可採のシェールガス埋蔵量が1,6~1.7兆立方フィートであることが判明した。
他方、エサール石油は6月21日、西ベンガル州で保有するラニガンジ・イースト鉱区の炭層メタン(CBM)の生産量が、同国で初めて日量ベースで100万sm3(smの3乗、天然ガスの体積表示=スタンダードリューベ)を超えた、と発表した。エサールは同鉱区での生産目標を日量300万sm3としている。エサールは、マティクス・ファーティライザーズ&ケミカルズにCBMを日量15万sm3供給するとし、残りを西ベンガル州ドゥルガプルの工業向けに供給する。
ところで、インドのエネルギー事情について、米エネルギー情報局(EIA)は6月半ば、国別レポートの内容を更新し、その内容を公表した。それによると、インドは2015年時点で米国、中国、日本に次ぐ世界第4位の石油・石油製品の消費国である一方、世界第4位の石油・石油製品の純輸入国だ。
EIAによると、インド国内の原油埋蔵量は57億バレル(2016年1日現在)で、原油類(原油・コンデンセートなど)の生産量は日量100万バレル。2011年以降、この水準を維持しているという。15年の原油輸入量は日量約390万バレル。最大の輸入先がサウジアラビアで、全体の20%を占める。15年の石油類の国内消費量は日量約410万バレル。国内製油所の総精製能力は日量460万バレル(16年初旬現在)で、2017年までに同630万バレルまで増強される見通しとしている。
一方、天然ガスの埋蔵量は53兆立方フィート(2016年1月1日現在)。2014年の天然ガス生産量は1.1兆立方フィート、消費量は1.8兆立方フィート。不足分を輸入に頼っているという。