石油輸出国機構(OPEC)の総会が2日、オーストリアのウィーンで開催された。主要議題であった「増産凍結」について、OPEC加盟国の合意には至らなかった。これを受け、2日の原油相場は一時、急落。指標のウエスト・テキサス・インターメディエート(WTI)原油7月限が1バレル47.98ドル、ブレント原油8月限が同48.84ドルまで下押す場面があった。ただ、清算値ベースで、WTIが前日比16セント高の49.17ドル、ブレントが同32セント高の50.04ドルと、前日よりも高い水準で引けた。

この背景には、世界的に石油の需給が引き締まりつつあることが挙げられる。供給面では武装勢力によるパイプラインの破壊活動でナイジェリアが減産を強いられている。米国では、これまでの油価低迷でシェールオイルの生産減が顕著だ。これら2つの要因により過去数カ月間で、1日あたり100万バレル以上の減少となっている。一方、需要面では米国がドライブシーズン入りで、インドなどの新興国では車両台数増にともなって石油消費が伸び、足元で急速に需給が引き締まりつつある。このため、原油相場は当面、底堅い展開が予想される。